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司法書士試験の勉強を始めると、
「記述式はいつから始めればいい?」
「ひな形を全部覚えてから問題を解くべき?」
「択一と記述式はどう両立すればいい?」
と迷う方も多いと思います。
私自身、1年目から記述式の勉強を少しずつ始め、3年間で論点を絞った問題演習から、本試験を意識した記述式答練まで取り組んできました。
その経験から感じているのは、記述式は早ければ早いほどいいわけでも、択一が完璧になるまで待つ必要があるわけでもないということです。
私なら、不動産登記法・商業登記法の基礎問題を7〜8割程度解けるようになってから記述式を始め、試験の半年前くらいから徐々に演習量を増やします。
この記事では、記述式を始める時期、ひな形の覚え方、不動産登記法・商業登記法それぞれで苦戦したポイント、過去問や答練の使い方、本試験での考え方まで、実際に3年間勉強してきた経験をもとに解説します。
- 記述式を始めるタイミング
- ひな形を覚える方法
- 不動産登記法と商業登記法で難しかったポイント
- 記述式の過去問・答練の使い方
- 択一と記述式を両立する方法
- 記述式を時間内に解くために取り組んだこと
- 本試験で分からない論点が出たときの考え方
司法書士の記述式はいつから始める?
私なら、不動産登記法・商業登記法の基礎問題を7〜8割程度解けるようになってから記述式の勉強を始めます。
記述式では、申請する登記を判断するだけでなく、添付情報・添付書面なども考えながら答案を作らなければなりません。
不動産登記法や商業登記法の基礎が十分に分かっていない段階では、「なぜこの添付情報が必要なのか」といったところまで理解しながら問題を解くのが難しくなります。
基礎問題を7〜8割解ける状態を一つの目安にする
もちろん、必ず7〜8割取れなければ記述式を始めてはいけないという意味ではありません。
私自身は1年目から少しずつ記述式に取り組んでいましたが、3年間を振り返ると、基本的な登記の仕組みや主要論点をある程度理解してから記述式へ進む方が勉強しやすいと思います。
逆に、択一が完璧になるまで記述式を後回しにする必要もありません。
記述式を解いていると、「択一で覚えたこの知識は、実際にはこういう場面で使うのか」と理解できることがあります。
記述式の勉強によって、択一で問われている内容が分かりやすくなることもありました。
択一で基礎を作り、記述式でその知識を実際に使う。
択一と記述式を完全に分けるのではなく、両方を行き来しながら理解を深めていくイメージです。
試験半年前から徐々に時間を増やす
始める時期の一つの目安として、私は試験の半年前くらいから徐々に記述式へ使う時間を増やすのがよいと思っています。
最初から毎日多くの時間を使う必要はありません。
基礎がある程度できた段階から少しずつ問題演習を始め、試験が近づくにつれて本番形式の演習まで増やしていく方法です。
司法書士試験11科目をどのような順番で勉強するかについては、司法書士試験11科目の勉強順・進め方で詳しく解説しています。
ひな形は先に暗記する?私は問題演習をしながら覚えた
私は、記述式を始める前にひな形だけをまとめて暗記することはしませんでした。
実際に問題を解きながら、必要になったひな形を覚えていく方法で勉強しました。
間違えたら解説を読み、分からなければテキストへ戻る
私の復習方法はシンプルです。
問題を解いて間違えたら、まず解説を読みます。
解説を読んでも理解できなければ、テキストへ戻って関連する論点を確認しました。
そうすることで、単に答案の形を覚えるのではなく、「なぜこの登記が必要なのか」「なぜこの添付情報・添付書面が必要なのか」といった理由まで理解しながら覚えていきました。
どうしても覚えられないものは暗記した
もちろん、ひな形を暗記する必要がないという意味ではありません。
何度問題を解いても覚えられないものについては、私も個別に暗記しました。
私の場合は、
問題演習 → 解説 → 分からなければテキスト → 覚えにくいものは暗記
という流れです。
ひな形を暗記しないのではなく、最初から丸暗記することを目的にしない。
問題の中で使いながら意味を理解し、必要なものを覚えていく方法で進めました。
1年目から3年目まで記述式をどう勉強した?
私の記述式対策は、最初から本試験と同じような問題を解くのではなく、論点を絞った問題演習から始め、徐々に本番形式へ近づけていく流れでした。
1年目|論点を絞った問題で記述式に慣れた
1年目は、田端先生の『田端のパーフェクトユニット記述式必修問題集60』を使っていました。
1問につき論点が2〜3点程度に絞られており、初学者でも記述式の問題演習を始めやすいと感じました。
この時期は、問題を解きながら、「どの登記を申請するのか」「何を添付する必要があるのか」といった基本的な処理に慣れていきました。
ひな形についても、この問題演習の中で覚えていきました。
2年目|論点ごとの処理を固めた
2年目からは、伊藤塾の高橋先生のプラクティカル講座の問題演習を使用しました。
こちらは1問につき論点が2点程度に絞られており、論点ごとに処理を確認しやすい問題でした。
記述式では、一つの問題を解く中でも複数の判断が必要になります。
そのため、いきなり複雑な問題ばかり解くよりも、論点を絞った問題で「この論点ならどう処理するか」を身につける方が基礎を作りやすかったと感じています。
3年目|本試験形式の答練を取り入れた
3年目は、高橋先生の問題演習に加えて伊藤塾の記述式答練も解きました。
本試験と同程度の分量がある問題を、時間を測りながら解くようにしました。
論点を絞った問題を解けても、本番形式になると資料の読み取り、情報整理、判断、答案作成までを限られた時間で行わなければなりません。
そこで3年目は、知識を増やすだけではなく、持っている知識を時間内に使う練習へ少しずつ移していきました。
不動産登記法の記述式で難しかった「枠ずれ」
不動産登記法の記述式で、特に難しいと感じたのが枠ずれです。
不動産登記では、申請すべき登記に順番があります。
先に処理すべき登記を飛ばして後の登記を書いてしまうと、一つの判断ミスが後続の解答にも影響し、大きな失点につながる可能性があります。
個々の登記だけではなく全体の流れを見る
不動産登記法では、「登記の目的は何か」「登記原因は何か」「どの添付情報が必要か」といった個別の判断はもちろん重要です。
しかし、それだけではなく、問題全体を見て、どの登記から処理する必要があるのかを整理することも重要です。
私は、いきなり答案を書き始めるのではなく、まず登記すべき事項を整理することが大切だと感じました。
「何を書くか」だけではなく、「どの順番で処理するか」まで考える。
不動産登記法の記述式では、この意識が重要です。
記述式の枠ズレについて詳しくは、不動産登記法記述式の枠ズレはどう対応する?司法書士試験本番で防ぐためのポイントを解説で解説しています。
商業登記法は役員変更と「登記できない事項」が難しかった
商業登記法の記述式では、最初は役員変更の登記に苦戦しました。
さらに勉強を続ける中で最も難しいと感じたのが、登記できない事項を見抜くことです。
役員変更はメモに書いて整理した
役員変更では、就任・退任・重任など複数の動きを整理しなければならないことがあります。
私は最初、頭の中だけで処理しようとして混乱することがありました。
そこで、役員の動きをメモに書いて整理するようにしました。
情報を書き出してから判断することで、役員変更を処理しやすくなりました。
一番難しかったのは「登記できない事項」
商業登記法では、一問の中に登記すべき事項が多く、資料も多くなります。
その中には、一見すると登記できそうに見えても、必要な要件を満たしていないため登記できない事項が含まれることがあります。
そのため、「何を登記するか」だけではなく、「何を登記してはいけないか」を見抜く必要があります。
登記要件は択一対策の段階から意識する
登記できない事項を判断するには、択一で勉強する知識が重要です。
記述式対策を始めてから覚えるのではなく、択一の段階から、「この手続にはどの要件が必要なのか」を意識して覚えておくことで、記述式にもつながります。
記述式を解くことで択一の理解が深まり、択一の知識が記述式の判断材料になる。
ここでも、両者はかなり密接につながっていると感じました。
記述式を時間内に解くために改善したこと
本試験形式の問題を解くようになると、私はなかなか時間内に解き終えることができませんでした。
さらに、時間内に解き終わっても、急いだことでミスが多くなるという問題もありました。
そこで、単純に速く解こうとするのではなく、まずミスを減らし、その後にスピードを上げることを意識しました。
メモを使ってミスを減らした
ミスを減らすために取り入れたのがメモです。
メモの方法については、LECの赤松先生の方法を参考にしました。
必要な情報をメモに整理することで、登記すべき事項を明確にしやすくなりました。
赤松先生の具体的なメモ方法についてはここでは紹介しませんが、私自身はメモを取り入れることで、頭の中だけで情報を処理するより整理しやすくなりました。
ひな形が身につくと書くスピードも上がった
解答スピードを上げるには、実際に答案を書く速さも重要です。
ひな形が頭に入ってくると、「次に何を書くのか」を一つずつ考える時間が減ります。
問題演習を繰り返してひな形が身につくことで、答案を書くスピードも徐々に上がっていきました。
本番形式の問題を繰り返して慣れる
最後は、やはり本試験形式の問題を解く経験も必要でした。
本試験と同程度の分量がある問題を時間を測って繰り返すことで、資料を読むことや情報を整理することにも少しずつ慣れていきました。
私の場合は、
メモでミスを減らす → ひな形を身につけて書く速度を上げる → 本番形式の問題に慣れる
という流れで改善していきました。
記述式の過去問は「解くだけ」で終わらせない
3年間を振り返って、もっとやっておけばよかったと思うのが記述式の過去問の論点分析です。
私は、伊藤塾の高橋先生の講座に含まれていた記述式の過去問演習で、本試験の過去問を数年分解きました。
しかし、当時は、
問題を解く → 間違えたところを復習する
という使い方が中心でした。
「何が出題されたのか」まで見る
今振り返ると、正解・不正解だけではなく、「この年度では何の論点が出題されたのか」「過去にも似た論点が出ていないか」という視点まで持つべきだったと思っています。
今年の本試験後に解説講義を視聴した際、記述式で出題された論点の中に、過去問でも同じ論点が出題されたことがあると知りました。
私は本試験でその論点に手こずりました。
だからこそ、今からやり直すのであれば、過去問を解いた後に出題された論点まで整理します。
記述式の過去問は、「解けたか」だけではなく「何が問われたか」まで見る。
過去問は単なる問題演習ではなく、本試験でどのような論点が問われてきたのかを知る材料でもあります。
択一の過去問・問題集については考え方が少し異なるため、詳しくは択一の過去問・問題集の使い方で解説しています。
択一と記述式はどう両立する?
普段の勉強では、私は基本的に平日は択一、休日は記述式という形で進めていました。
休日に記述式を数問解き、試験が近づいてから少しずつ記述式の割合を増やしました。
直前期は毎日1問解いた
直前期には、記述式を毎日1問解くようにしていました。
ただし、毎日本試験と同じ分量の問題を解いていたわけではありません。
普段は1問ずつ演習し、ときどき本試験と同程度の分量がある問題を時間を測って解いていました。
私なら、
択一の基礎を固める → 試験半年前から休日を中心に記述式 → 直前期は毎日1問 → ときどき本番形式
という流れで進めます。
記述式対策が充実している講座を比較したい場合は、司法書士通信講座6社の記述式対策比較で各講座の記述式対策を詳しく比較しています。
本試験では答案の完璧を目指しすぎない
記述式の勉強をしている間は、できるだけ多くの論点を理解し、正確な答案を書けるようにすることを目指します。
しかし、本試験では少し考え方を変える必要があると思っています。
私が大切だと感じているのが、
「本番までは完璧を目指す。本番では答案に完璧を求めすぎない」
という考え方です。
分からない論点で手を止め続けない
本試験では、自分が分からない論点が出る可能性があります。
たとえば不動産登記法から解き始め、途中で判断できない論点が出てきたとします。
そこで完璧な答案を作ろうとして考え続けると、商業登記法へ使える時間まで減ってしまいます。
不動産登記法で分かる部分をある程度書けたのであれば、いったん商業登記法へ移るという判断も必要です。
商業登記法の方が解きやすい可能性があります。
分からない一つの論点に時間を使い続けるより、解けるところから点数を積み上げることを優先します。
1問を完璧にするより、試験全体を見る
令和7年度司法書士試験では、記述式の基準点は140点満点中70.0点でした。なお、令和6年度から記述式の配点は従来の70点満点から140点満点へ変更されています。
一方、令和8年度については、2026年8月28日時点で法務省から公表されているのは多肢択一式の基準点等までで、記述式の基準点はまだ確定していません。
そのため、「記述式は半分取れば必ずいい」という意味ではありません。
総合点もありますし、年度によって基準点も変わる可能性があります。
ここで伝えたいのは、本試験で不動産登記法・商業登記法の片方を満点にしようとして、もう一方を解く時間まで失わないことです。
勉強中は、分からない問題を減らすために復習する。
しかし本試験では、一つの分からない論点に固執せず、取れるところから点数を積み上げることも大切だと感じています。
まとめ|記述式は択一の基礎を固めてから実戦へ進む
司法書士試験の記述式は、いきなり本試験形式の問題から始める必要はありません。
私なら、不動産登記法・商業登記法の基礎問題を7〜8割程度解ける状態を一つの目安にして、記述式の勉強を始めます。
ひな形についても、最初からすべて丸暗記するのではなく、問題を解き、解説を読み、理解できなければテキストへ戻り、必要なものを覚えていく方法で進めました。
その後、論点を絞った問題から本試験形式の問題へ段階的に移行し、直前期には毎日1問解くようにしました。
そして、3年間を振り返って特に伝えたいのが、過去問を解くだけで終わらせないことです。
正解・不正解だけではなく、
「どの年度に、どの論点が、どのような形で出題されたのか」
まで確認しておけばよかったと感じています。
最後に、本試験では一つの論点にこだわりすぎないことも重要です。
過去問は、解くだけでなく出題論点まで分析する。
そして、
本番までは完璧を目指し、本番では答案に完璧を求めすぎない。
この2つが、私が3年間記述式を勉強してきた中で、これから受験する方に特に伝えたいことです。
記述式まで含めて独学で進めるか、通信講座を利用して学習を補うか迷っている方は、まず司法書士試験の独学と通信講座の比較で違いを整理しておくと判断しやすくなります。
司法書士試験11科目の進め方を確認するなら
通信講座の記述式対策を比較するなら
択一の過去問・問題集の使い方を確認するなら



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